武蔵野市第五期長期計画・調整計画討議要綱

武蔵野市第五期長期計画・調整計画討議要綱についての全員協議会が開催された。
全員協議会(武蔵野市HP)

武蔵野市は市民参加による長期計画を元に市政運営を行う事を原則としているため、この計画と整合性が取れないものは余程の緊急性がない限りは施策として取り入れられない、それと同時にこの計画に触れられている事業はその後の議論でも「長期計画に載っているから進める」という事にもなる。

今回行われているのは10年スパンの長期計画(現在は平成24年~33年の第5期長期計画)に対し、その期間中に市長選挙や市政をめぐる情勢に大きな変化があった際に行なわれる実行計画の策定である。本市をめぐる大きな社会情勢の変化として大型マンション建設等の影響による児童数の増加や、待機児童対策に関する意見が多く挙げられた。

武蔵野市長期計画条例(武蔵野市HP)
武蔵野市HP第五期長期計画・調整計画討議要綱について(武蔵野市HP)

私は今回の調整計画に盛り込むべき課題として、子ども・子育てや学校教育に関して様々な施策が打ち出されている中で児童生徒の健康・体力等に関しての施策が一つもない事、スポーツ振興や、防災関連でハード面を充実する記述はあるがソフト面に触れられていない事を指摘し、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて地域振興・国際交流・障害者スポーツ環境の推進などを提言した。

同時に今回の調整計画討議要綱に新たに記述された施策の中で「全小学校に自校給食施設の設置の検討」との記述があったのでこれに関しては異議を唱えた。

現在採用している給食センター方式に比べ、自校式はコスト面で問題があることは以前の質疑の中でも明らかになっている、今後厳しい財政運営が見込まれている中で、限られた財源をいかに有効に振り分けるかと頭を悩ませている時に、イニシャルコスト・ランニングコストどちらの増加も見込まれる全校自校式を推進する事には賛同できない。

災害時に避難所として活用できるとの答弁があったが、ライフラインが切断されてしまえば機能せず、そのために防災倉庫に非常用かまど等が配備されており、ライフラインが復旧したとしても調理に関しては家庭科室で充分に対応できる。

自校式のメリットや、一時的に増加傾向にある児童数に対しての給食センターのキャパシティの問題はあるが、そういった議論を経ずに「全小学校への自校給食施設の設置を検討する。」と書き込んでしまうと、この先の議論の中で「(自校式に)するか?しないか?」の検討ではなく、一律に自校式を推進するための検討になってしまい、いざ議会が問題点を指摘しても「市民参加で作った計画なので変えられない」という流れになりかねない。

今年度の予算特別委員会の際に、多くの議員が反対したが「長期計画にあるから」との理由で進んでしまった(と、私は感じている)西部図書館跡地への歴史資料館設置などの前例を考えると、記載には慎重を期すべきである。

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