平成26年度予算可決

本日、武蔵野市議会平成26年第一回定例会が終了しました。

私は、一般質問、厚生委員会、予算特別委員会において質疑を行い、本日の本会議で平成26年度予算に対しての討論を行いました。

本日の発言内容は以下の通りです。
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自由民主クラブを代表して、平成26年度武蔵野市一般会計予算、4特別会計予算及び水道事業会計予算に対し討論を行います。

まず冒頭に、邑上市長の政治姿勢について一言申し上げます。

総括質疑の際に「市長は、特定秘密保護法が市政に与える影響はあるか、という(他の議員による)一般質問に対し、大変危惧をしていると答弁していますが、条文を読んだ上でのことでしょうか」との私の質問に対し「条文は読んでいない、個別に説明も受けてはいない、一般報道で得た情報だ」との答弁をしましたが、私はこれには大変驚きました。

問題点は二つ、事前に質問の通告がされているにもかかわらず、条文を読まず、または専門知識のある職員の説明も受けずに答弁を行ったこと。その結果として、一部の勢力やメディアで宣伝していることを鵜呑みにした内容の答弁をしていること。

後に「要項は読んだ」と答弁をしていますが、市長という責任ある立場でありながら、しっかりとした情報収集や判断を怠り、いたずらに市民の不安をあおることになりかねない内容の答弁を行うという姿勢は、非常に無責任であり、問題があると考え強く抗議をします。

さて、今予算の審査にあたっては、邑上市長3期目の最初の予算であり、この先の武蔵野市政がどういう方向へ向かっていくのか、どういった未来像を描いているのか、そのうえで現在の市民ニーズにこたえる予算であるか、また市民の視点にたって市民一人一人が安全に安心して生活していけるかなどを視点に審査してまいりました。

その中で特に「情報」というキーワードが、今回の予算審議の一つの大きなポイントであったと考えます。

これは、膨大で多岐にわたる情報を集約して、必要に応じて必要な情報を提供する市民サービスとしての観点、そして、物事を決める際に必要な情報を、必要とする機関や関係者に的確に開示する等の情報をオープンにする重要性、またその反面、個人情報や個人のプライバシーを守る、といった情報を確実に保護するための取り組みや姿勢、など、様々な面から改めて浮き彫りになった課題と意見を述べさせていただきます。

まず、市民に対する情報提供、市民サービスとしての情報提供については、質疑の中でも述べましたが、健康や福祉、またスポーツなどの分野において、本市は担当部署や外郭団体等が様々な事業を展開しています。しかし、市民目線で見ると分かりづらい状況であり、参加者の固定化の問題など市民に対して広く公平に提供をされているとは言えない状況であります。

特に、生涯学習振興事業団や、健康推進センター、健康課等で行っている事業には内容が重複しているものが見られ、情報を一か所に集約し事業の重複を洗い出し、精査して的確に市民に提供をすることは新規事業を始めるより先に行うべきであると考えます。

また、情報提供の手段に関して現在はホームページなどで情報の偏りが見られたり、階層が複雑化している傾向が見受けられます、日々更新される市政情報を集約し、いかに適切に効率よく提供するか、市報、ホームページ、電子メール等をそれぞれの特性を活用して市民サービスの向上、また市民の安心・安全のためにも今後も更なる充実が求められます。

次に、市政運営における情報提供に関して申し述べます、最近の市政運営の中でなにか物事を決める際に、そこに関係する市民や、事業として係わる関係者、また議決をする市議会に対して、適切なタイミングで的確に情報提供がなされていないことは非常に問題であります。

その象徴の一つが、1億3千万もの予算が計上され、その先に何十億という費用がかかることが予想される市民文化会館改修基本・実施設計に対し、その判断基準となる市民文化会館改修基本計画が議会に提示されないという異常な事態であります。

判断材料となる情報を提示しないまま、予算を認めろという事は、市民代表である市議会を軽視しており、ひいては市民を軽視していると言わざるを得ません。

しかし、今回は我々の指摘に対して執行部も迅速に対応をし、現時点での検討状況を、誠意をもって提示したこと、そして、「今後議会や市民に対して適切な情報提供を行い、熟議を重ね適正な執行に努める。」という市長の発言を重くとらえ、今後も注視をしながら、市民のためにどのような改修が良いのか、議論を交わしていきたいと思います。

そして、もう一点、マナーポイントの撤去を決める際には、市民や、関係者に適切に情報提供がなされたか?大きく疑問が残るところであります。

市報により市民に対してマナーポイント撤去が発表されたタイミング、また、たばこ産業やたばこ税収対策協議会への報告、説明が行われたのは、吉祥寺駅のマナーポイントが廃止された後であり、これは情報発信が遅い、またはギリギリまで情報を隠していたのではないか?と指摘されても仕方ないと考えます。

それと同時に三鷹駅、武蔵境駅の撤去が発表されましたが、この2駅のマナーポイント撤去の決め方は、「ようこそ美しいまち三鷹北口委員会、同武蔵境委員会」の議事録によると、行政側から「邑上市長がマナーポイント廃止の決断をし、指示が出たので、皆さんその方向でご協力お願いします」と一方的に誘導をし、その後、市議会には「市が決めたことではない、街の皆さんが協議し決めた事だ」と報告をする。これはある意味、行政の都合が良いように情報を操作しているのではないか、「市民が真ん中」を標榜する邑上市政において、このような物の決め方を行なって良いのか?「市役所の都合が真ん中」になっているのではないかと指摘をせざるを得ません。

もし「市役所の都合が真ん中」でないと言うのであれば、今後、関係者や市民と今まで以上に丁寧に協議を行うべきであると考えます。

次に個人情報の保護に関して述べます、庁内には個人情報保護審議会が設置されており、個々の職員も、その重要性は分かっていながら、それでも単純なミスや確認不足から個人情報が流出する事例が起こっております。

質疑の中でも申し述べましたが、どんなに気を付けていても人間はミスをしてしまう、もちろん、気を引き締めてミスを起こさないように業務に当たることは当然でありますが、今現在、早急に行わなければならないことは、庁内のあらゆる作業を点検し、個人情報が漏れてしまう可能性のある業務を洗い出し、業務の修正・改善をすることであると考えます。

また新規事業の中でも、若者サポート事業や、高齢者安心コール事業など、個人のプライバシーに関わる問題を取り扱う可能性のある事業が見受けられます、そういった新規事業に関しては、問題が起こってから修正をするのではなく、丁寧に検討を重ね、しかりとした仕組み作りから取り組んで頂くことを求めます。

最後に、歴史資料館に関して申し述べます、予算審査の中で、多くの議員から疑問が投げかけられ、様々な問題が指摘されてきましたが、改めて申し述べます。まず第一に、歴史資料館の事業内容・展示物の選定などが未だ明確になっておらず、また常時展示をしないもの等を保管する場所や方法も不明確であります。

具体的に、現在収蔵されているものからは、歴史資料館を作りたいのか、民具などを展示する郷土博物館的なものを作りたいのかすら見通せず、しかも、これらを全て網羅するには旧西部図書館跡地約1000㎡というスペースは狭すぎます。

さらに、この施設は誰が求め、どのような手続きで決定をしたのか、市民からも歴史資料館を求める声はほとんど聞いたことがありません。邑上市長は市民参加を市政の柱に掲げていますが、平成26年度予算において約1億円、その後の経費が毎年約9000万円もかかる新規事業をどのような市民参加で企画し、決定をしたのか疑問が残ります。

このように、決定過程や、内容、運営方法が不明確な施設に対して、多額の公費をかける事が本当に市民のためになるのだろうか?14万人の市民のためにも、市長及び執行部は勇気を持って立ち止まり、今何が必要で、何が必要でないかを改めて検討するべきであると考えます。

以上、様々な意見を述べましたが、多くの施策並びに、政策に関しては概ね適正に執行されると思われ、また、それぞれ一定の前向きな答弁もあったものと理解し、賛成の討論と致します。

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採決は賛成、なぜ反対しないんだ?と言う方もいましたが、自分(自分たち)だけ反対しても、どうせ可決されるんだから反対してしまえ、というような無責任な態度はとるべきではないと思っています。

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